キノコ最前線 ディック・ブルーナ編


きのこを好きになって驚いたことのひとつに子供がきのこに非常に興味を示すということです。きのこのカタチがなにか子供に訴えるものがあるのかな?きのこというオトがおもしろいのかな?とも思っていたのですが、どうも子供たちはきのこを通してもっともっと深いなにかを見ているような気がしていたのでした。で、で!世界中の子供たちから愛されているディック・ブルーナの登場です。
ブルーナはこんな風に言われているんです。

デザインはシンプルであることが一番大事。完璧であるだけでなく、できるだけシンプルを心がけるそうすれば見る人がいっぱい想像できるのです。これがわたしの哲学。

これですこれ!きのこのフォルムにも通じるものがありますよね、きのこは子供たちの想像の扉を開けちゃうんですね、だから子供はみんなきのこがおもしろくて仕方ないのです。きっときっと・・・
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これディック・ブルーナの描いたきのこです、ああ素敵!

キノコ最前線 なばたとしたか編

あなたはこびとを見たことがありますか? こびととは、もちろん昆虫でも植物でもありません。 そう、こびとなのです。 そんなものいる訳ないと笑っているあなた。 世の中を表面でしか見れていない証拠です。 ただ歩いていても彼らを見つけることはできません。 例えば、今座っている机の下やテレビの裏など。 普段何気なく通っている場所を注意深く見てみましょう。 ふとした瞬間にこびとと出会えるはずです。

こびとづかんでは私が出会ってきたこびとの数々をご覧頂こうと思います。 まだわからないことだらけですが、 あなたがこびとと出会う何かのきっかけになればこれ幸いのことと思います。 世界中にはまだ発見されていない数多くのこびとがいるはずです。 発見でき次第、随時紹介していきたいと思っておりますのでご期待下さい。 最後に、くまなく探してもこびとを見つけることが出来ないそこのあなた、 悔しがる必要はありません。 あなたが見ることが出来なくても こびとはあなたをちゃんと見ているのですから…。

こびとの中にベニキノコビトというこびとがいるのです! 妙なタッチが気になりますね~、ああ妙ーですね~。気になりますね~。
※詳しくはなばたとしたかさんのナバーランドへようこそをご覧下さい。

キノコ最前線 文學界 四月号


文學界で連載の飯沢耕太郎さんの連載「きのこ文学の方へ」
第四回はベニテングダケの神話作用です、少し遅いのですが・・・
べ べ ベニテングダケ娘!!!
ああ~きのこの森は深くて魅力的かえってこられるかしら?
そうだ!ヘンゼルとグレーテルみたいにパンくずを
落としていきましょう・・・

 蟻ときのこ

 歩哨は剣をかまへて、ぢつとそのまつしろな太い柱の、大きな屋根のある工事をにらみつけてゐます。
 それはだんだん大きくなるようです。だいいち輪郭のぼんやり白く光つてぶるぶるぶるぶる顫えてゐることでもわかります。
 俄かにぱつと暗くなり、そこらの苔はぐらぐらゆれ、蟻の歩哨は夢中で頭をかかへました。眼をひらいてまた見ますと、あのまつ白な建物は、柱が折れてすつかり引つくり返ってゐます。
 蟻の子供らが両方から帰ってきました。
「兵隊さん。溝はないそうだよ。あれはきのこというものだって。何でもないって。アルキル中佐はうんと笑ったよ。それからぼくをうんとほめたよ」
「あのね、すぐなくなるって。地図にいれなくてもいいつて。あんなもの地図に入れたり消したりしてゐたら、陸地測量部など百あつても足りないつて。おや!引つくりかえつてら」
「たつたいま倒れたんだ」。歩哨は少しきまり悪さうに云いました。
「なあんだ。あつ。あんなやつも出て来たぞ」
 向ふに魚の骨の形をした灰色のおかしなきのこが、とぼけたやうに光りながら。枝がついたり手が出たりだんだん地面からのびあがつて来ます。二疋の蟻の子供らは、それを指さして、笑つて笑つて笑ひます。