キノコ最前線 もりのなか また もりへ

今日は「もりのなか」と「また もりへ」の2冊の絵本の登場です。(マリー・ホール・エッツ著)


グリム幻想紀行の中より小沢俊夫さんの素敵な文章です。

森の静寂、そのなかで夢想する孤独なる魂。そこではあらゆることが夢のなかの姿のようにうかんだことでしょう。人生の夜明けにたっている子どもたちは、いつの世でもそれに似た夢のなかに生きているのです。子どもはお話を聞くと、あらゆることを空想してみせます。それは合理的思考に慣れた大人には到底理解できるものではありません。メルへェンはそうした子どもの空想に合致した語り方をしています。それが口伝えであるメルへェンの強みです。メルへェンでは、合理的に考えたら不可能なことが次つぎに起きます。夢のなかに生きている子どもたちには、それであたりまえなのです。もし子どもメルへェンを合理的にしか読まなくなったら、それはおそろしい世界になるでしょう。

メルへェンは長時間かけて起こる目立たない変化を、短いストーリーで、明瞭な変化としてみせてくれる。

きのこが童話に登場するのには、こんな訳もあったのですね。
マリー・ホール・エッツさんは幼少の頃森であそんだ記憶をもとにこの絵本を書かれたそうです、絵本は幼い人が触れる初めての文化の世界それは音楽の森・文学の森・絵の森・・・たのしい森へとつづいているみたいです。
きのこはきっとその森からの贈り物なのです。ってそんなことを本気で言ってしまいたくなる素晴らしい森がこの絵本の中にあります。

キノコ最前線 神尾葉子さん(少女漫画家)編


今日は京都在住の姉きのこ様より情報を頂きました。花より男子の作者である神尾葉子さんの登場です。
ドラマの舞台は名門ばかりの英徳高校、学校を牛耳る花の四人組と一般庶民の牧野つくしちゃん(井上真央)の繰り広げるラブストリーです。つくしちゃんの部屋にはどういう訳かたくさんキノコが置いてあるんです。そしていろんなシーンでキノコプリントの服を着ています。
それだけでなく、西門総二郎(松田翔太)がつくしちゃんのことを、「図鑑に載ってないキノコ」と例えるシーンがあるのです。キノコが好きになるまで、図鑑に載ってないキノコ、名前のないキノコがいるなんて知りませんでした。そして見逃せないのが、富と権力の象徴である道明寺楓(加賀まり子)が事あるごとに、つくしちゃんことを「得体のしれない小娘が」って言うんです、富や権力に重点をおく人達が嫌うもの、それは得体のしれないもの、それは形のないもの、それは見えないもの、それは名前のないもの、もうお分かりでしょう?キノコなんです!このドラマの主役はキノコだと言ってもいいでしょう。ブームの影にキノコあり。これ本当!

キノコ最前線 軍艦島

きのこ好きの皆様今日のキノコ最前線は軍艦島あえて場所をとりあげます。
儚さゆえきのこがお好きな方も多いのでは?きのこ好きであること、それは過ぎ行く時間というものに対して思い入れの強い方であることが多いようです。
軍艦島はかつて日本の繁栄を支えた炭鉱の島です。そして1974年に閉山35年の歳月を経て今年上陸解禁となりました。時代の大きな大きな落し物は、豊かになリ過ぎた今の私たちにヒントをくれている気がします。

・キノコ病は廃墟好きであるという例も数件寄せられています。

キノコ最前線 いざ本屋さんへ

kinoko200947 002
きのこ好きの皆様!!!
きのこの森を旋廻中の飯沢耕太郎さんが
岩波書店「図書」にきのこの文学的想像力という文章を書いておられます。

「きのことは何か?」を、従来のように自然科学的にではなく、文学的に定義してみることが必要になります。
(1)中間性・・・
(2)偶有性・・・
(3)多様性・・・
(4)魔術性・・・
(5)不可視性・・・

むっむっ!この続きは本屋さんへ・・・
そして本屋さんでのきのこ狩りはいかがでしょう?
きっときのこ好きの皆様の力が必要です。

キノコ最前線 ブラックマヨネーズ編


皆様きのこが、こんなにもこんなにも美しいのか訳を知りたくないですか?
ズボリこういう訳なのです、きのこはこの世の中で汚いとされているものを
誰よりも誰よりもよく知っているからなのです。美の世界と醜の世界は、すぐおとなりなんですから。という訳で今日はブラックマヨネーズの登場です。彼らの栄養源は見た目におけるコンプレックスです、向って右側の吉田さんの得意技はネガティブシュミレーション、そうです眠れない夜誰もが陥ってしまう、ああなったらどうしよう、こうなったらどうしようの恐怖のネガティブスパイラル。
2005年M1グランプリで優勝の瞬間、ネガの世界の住人だった彼らはネガとポジをひっくりかえしたのです、美しい優勝でした。

話はきのこに戻りますが、相反するとされるモノの間を無邪気にチョロチョロするきのこは、私たちにヒントを示してくれています。ズボリ相反する世界に境界線なんてないんだってことを!生きにくいこの時代の突破口それはきのこに他ならないのです。

※「ズボリ」はブラマヨの造語です。

キノコ最前線 黒澤かずこ編

きのこ好きの皆様いかがお過ごしでしょうか?

皆様も大好きなきのこ画家の小林路子さんが「きのこの絵本」の中で

植物の枯れた葉や木、動物のフンや死骸など、いらなくなったものをたべて分解しているのが、きのこをふくむ菌類なのです。ものが腐るのは菌類が食事をしている姿で、きたなく見えるかもしれませんが、実は、自然をそうじしてきれいにしているところなのです。

そのきのこはこの文章を読んでとても分解という言葉が大好きになりました。
分解ということもう少し拡げて捉えてみると、世の中の日の当たらない部分や人間の影の部分を栄養にして、それを笑いに変えてしまうイコール花を咲かすことは分解のひとつだと思うんです、よってお笑い界にキノコ的な人が多いのはもっともな気がしてきます。という訳で今日は黒澤かずこさんの登場です。黒澤さんは独自のアンテナでオトやコトバをキャッチしているようです、そして原曲、日本語、もろもろを粉々に分解し、とんでもないコトバを紡いでしまうんです、こんなこと分別があってはできるもんじゃありません。黒澤さんは生まれたての赤ちゃんのような耳を持っているのです、素晴らしい!
黒澤さんは私生活もキノコ的です、部屋はごみだらけでラジオをこよなく愛し無口な方なんですって、光と影の世界をいったりきたりの黒澤さんは、お笑い界の国のアリスです。そのきのこ応援しています!

キノコ最前線 メリーミルク編


きのこ好きの皆様春はもうすぐですね。
きのこが増殖増殖する様が大好きな方はこういうのもお好きでないでしょうか?

少し見えにくいですが、女の子が手に小さなメリー・ミルクの罐を持っています、そのまた罐の中の女の子が手に罐を持ち、そのまた罐の中の女の子が手に罐を持ち・・・・・つづくつづく・・・ああ不思議!
*詳しくお知りになりたい方は「胡桃の中の世界」澁澤龍彦著をごらんください。

キノコ最前線 天津木村エロ詩吟師範代編


今日はエロ詩吟師範代の天津木村さんの登場です。
彼の目に映るこの世界のすべてのものが、エロく見えるらしいのです。吟じられると、なるほど私たちにも彼の目に映るめくるめく世界を垣間見ることができます。ひとつのことに関心を持つ、そして関心を通り越し、異常なまでの執着にまで自らを高めることができたなら、この世界のすべてのものが、想像力の源になるようです。賛否両論あれど、多くの人たちを惹きつけていることには違いありません。彼は詩吟という翼によって、エロを拡げているところがキノコ的でもあります。裏をかえせば、飛散率、話題性が高いことがきのこ的ともいえるようです。

キノコ最前線 舟崎克彦編

今日は幼少の頃このお話が大好きだったいう素敵な方から情報を頂きました。
「ぽっぺん先生と帰らずの沼」の著者である舟崎克彦さんです。
ウキペディアより引用します。

挿絵はもともと画家志望だった舟崎自身が描いており、発表当時「E・H・シェパードの猿真似に過ぎない」と酷評されたこともあるが、舟崎は敬愛する画家と比較された思いがけぬ光栄に大喜びした。

そのきのこが大喜びしたのは、ここなんです。
キノコ好きの皆様、このように、酷評されているのに喜んでしまったり
誰一人笑っていないのに、ものすごくおかしかったり
ありますよね、ありますよねこういう経験あると思います!

キノコ最前線 二本松峨量編

きのこ好きの皆様いかがお過ごしですか?
今日は毎日新聞に掲載されていた素晴らしい川柳の作者、二本松峨量さんの登場です。  

マツタケの秘密の場所はダムの底
 
なんともまあ、凝縮された中に様々なおもいが感じられる素晴らしい川柳です。