幼い頃から絵本でいつも見ていた風景がひろがっていたので、ドイツははじめて来た気がしませんでした。そしてグリムたちが大好きな童話を生んだこの地を、そのきのこもやっと踏みしめることができました、そしてこの国にはそのきのこの探しているものがまだまだありそうな予感がしています。
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Where is the forest of Sonokinoko?
これは数年前に渋谷の文化村でみつけたものです、その時出会ってしまったと感じたのを今でもはっきり覚えています。とても繊細なものなのでふぁふぁのタオルで包んで持って帰ってきました。
これはローテンブルクで見つけました、ウインドーの真ん中に飾られていて、言葉は通じていないのですが、そのきのこがどんなに嬉しいかは国境や言葉を超えてしっかり店主さんに伝わった瞬間でした。じっと見ていると自分も小さな人になったみたいです。裏はこんな風です、今回も壊れてはいけないのでふぁふぁのタオルに包んで更にニット帽に包んで何度も何度も壊れていないか確認しながら持って帰ってきました。
錫の細工師さんは年々減っているらしくとても貴重なものだそうです。このふたつのきのこは仲良く隣に置くことにしました。
Where is the forest of Sonokinoko?
Where is the forest of Sonokinoko?
Where is the forest of Sonokinoko?
おとぎの国へ
Where is the forest of Sonokinoko?
”廃墟の聖地”と称される軍艦島です。きのこは動物でもなく植物でもなく、男でもなく女でもなく境界線上の生き物です。この軍艦島もまた境界線上に位置する島であることをご存知でしょうか?
自然界のサイクルは生産(植物)→消費(動物)→分解(菌類)→生産(植物)とグルグルとまわることはご存知だと思うのですが、時代もまた生産→消費→分解→生産と同じようにグルグルまわります。生産の時代は工場からモクモクと煙が立ち昇り同じ形・同じ大きさ・同じ色の商品がベルトコンベアーで運ばれる様なんかをイメージしてください、消費の時代は真昼間みたいな深夜や、トラックで運ばれてくるごみが山のように積み上げられる様なんかをイメージしてください。
私たちが分解時代の入口に立っていることは皆様お気づきのことと思いますが、では生産時代のはじまりはというと?そうなんです!戦後ということになります。では生産時代と消費時代の境目は?そっ!そうなんです!エネルギーが石炭から石油へとシフトした時といえるでしょう。近代を根底から支えたエネルギーの為だけにつくられた炭坑の島、軍艦島は、ちょうど生産時代と消費時代の境界線上に残された”聖地”なのです。
”近代を根底から支えた”と言われるように下の図を見て下さい、図の右上の小さい黄色の所が見える部分の軍艦島です、軍艦島の本当の姿は、このように見えない部分(海底)だということなんです、このような点においても非常にキノコとよく似ていますよね。
1891年から1974年の閉山まで約1570トンもの石炭を採掘した「ヤマの男」たち。海底炭坑である端島での採掘作業は、海面1000m以上の地点にまで及びました。勾配はきつく、気温30℃、湿度95%という悪条件のもと、ガス爆発など常に危険と隣り合わせの仕事はとても過酷なものでした。
聖地は2つの世界がであう場所・・・
聖地は2つの世界がぶつかる場所・・・
聖地は2つの世界が交わる場所・・・
エネルギーの転換点である今年、この2011年に訪れてみたかったのです。
なにか感想をと思うのですが、ためらわれるのは、ここが聖地だからなのかもしれません・・・
Where is the forest of Sonokinoko?
そのきのこが生まれた森
私達が求めてやまないもの、それはまだ見ぬ世界。その世界は日常のふとした隙間から姿を現わします。手を伸ばそうとすると私達を拒絶するかのように扉を閉じて遠くへいってしまいます。きのこだけが知っています。きのこのむこうに拡がるその世界を。目を閉じてみつめてください。耳をふさいで歌をきいてください。風と光が集まるその場所でそのきのこは生まれました。