冬虫夏草 梨木香歩著 きのこ文学!

「家守奇譚」には続編があって、なんと「冬虫夏草」きのこ文学です!植物の描写が本当に素敵で、すいすいと不思議世界に入ってゆける素晴らしいきのこ文学です。

亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果たして再びゴローに会えるのか。『家守綺譚』の主人公による、ささやかで豊饒な冒険譚。

家守綺譚 梨木香歩著

ピンポイントギャラリーで開催中の「わたしの一冊、あなたへの一冊」100人展に伺いました。なんとなんと画家の樋上公実子さんが描かれたのは「家守綺譚」です。植物の鉛筆画がとっても丁寧に描かれています。そうそうなんと「家守綺譚」は京都と滋賀を舞台にした不思議な不思議なお話なのです。そのきのこがいちばん気に入ったのは表紙に描かれていたゴロ−です。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。