ピンポイントギャラリーで開催中の「わたしの一冊、あなたへの一冊」100人展に伺いました。なんとなんと画家の樋上公実子さんが描かれたのは「家守綺譚」です。植物の鉛筆画がとっても丁寧に描かれています。そうそうなんと「家守綺譚」は京都と滋賀を舞台にした不思議な不思議なお話なのです。そのきのこがいちばん気に入ったのは表紙に描かれていたゴロ−です。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。