キノコ最前線 なんらかの事情編

なんとなんと「気になる部分」の「国際きのこ会館の思ひ出」でもおなじみのきのこ文学者の岸本佐知子さんの新刊「なんらかの事情」(去年の11月に筑摩書房より)の中のレモンの気持ちというエッセイの冒頭からキノコについて触れられています。キノコの話を期待するそのきのこの予想をはるかに超え、話は思わぬ方向へ・・・

この本の中でそのきのこのお気に入りは「瓶記」です、読み終えるのが惜しくて3ヶ月かかって読みましたよ。瓶記を読んでからというもの瓶が捨てられなくて、子供じゃなくて小さい瓶にはこの前とれた銀歯を収納して活用することにしました。

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*過去の岸本佐知子さんに関する記事も併せてお読み下さいね。こちらです。

キノコ最前線 岸本佐知子編


「きのこ文学大全」を読んでからというもの、小川洋子さんの本をよく手にするようになりました。そしたら新聞で小川洋子さんが岸本佐知子さん「気になる部分」の『ラプンツェル未遂事件』を紹介されていたんです。いてもたってもいられなくなって即注文しました。なぜなら『ラプンツェル』はそのきのこが子供の頃から大好きな特別な童話だったからです。夢中で読みました。そこでやっと気づきました。「きのこ文学大全」の「国際きのこ会館」のページを開け岸本佐知子さんの名前をドキドキしながら確認しました。「きのこ文学大全」の岸本佐知子さんは、「気になる部分」の岸本佐知子さんとなんと同じ方でいらしたのです。勘のいい方なら読む前に思いあたるのかもしれませんが、嬉しかったんです、きのこ作家さんだとは知らずに惹かれたということが、別にどっちだっていいんじゃないって思われるかもしれません。でもきのこ作家さんの作品だから惹かれるのと、惹かれた作品がきのこ作家さんの作品というのでは全然違いますからね。例えるならば、幼なじみとウルグアイでバッタリ遭遇するぐらいのありえない確率だっちゅうことです。とてもとても嬉しかったんです。

けれども、何かが気にかかっていた。心の奥に、何かこう、ひっかるものがある。私は子供の頃に読んでいた絵本「ラプンツェル」を本棚の隅からひっぱりだし、すばやくページをめくった。そこには・・・

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*一部いいえ、大部分「気になる部分」より引用させて頂きました。

*2月17日青山ブックセンターで行われる『きのこ文学名作選』刊行記念
 飯沢耕太郎×岸本佐知子 トークイベント
のこと考えたらもう嬉しくて嬉しくて。
雪で新幹線がどうぞ止まりませんように。

<Magical Mysterious Mushroom Tour〉発売記念 飯沢耕太郎・石塚真琴展 「きのこ狩りツアー」

8月21日行ってきました! めぐりさんで行われたMagical Mysterious Mushroom Tour〉発売記念
飯沢耕太郎・石塚真琴展 「きのこ狩りツアー」
「きのこマニアトークときのこ料理のゆうべ」
トーク:飯沢耕太郎さん、吹春俊光さん(千葉県立中央博物館上席研究員)、北川公子さん(きのこグッズ収集家)

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見てください!きのこ料理の数々!本当おいしかったです!
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そして吹春俊光さんのトークです。「きのこの下には死体が眠る!?」の著書でいらっしゃいます、この本ドキドキしながら読んだ時は、まさかお会いできるなんて想像もしていませんでした。

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そして奥様である北川公子さんの、めくるめくキノコグッズの数々!3000点はあるんですって!そしてなんともかっこいいのが、お部屋に飾ったりはされないんですって!

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P60に載っているクロスについてこんな風に言われていていたのが素敵でした。
「きのこは少ししか描かれていないのですが、蝶もいて、お花もいて、かたつむりもいてっていうのがいいんですね、この頃生物多様性なんてことがよく言われていますよね。」(少し違ったかもしれませんが)

そしてそして、「きのこ文学大全」でもおなじみの岸本佐知子さん(翻訳家・エッセイスト)がいらしてたのです!うわぁうわぁ!とにかくたくさんのきのこたち、いやいやきのこ好きの方々にお会いでき嬉しい1日でした。きのこ好きになってよかったぁ、全部全部きのこのおかげです!

毛穴

Bolete Pores

某月某日
髪を切りに行く。
切られながら見ていると、床に散らばった黒や茶の髪を、ときどき幅広のホウキが、すー、すーと掃いていく。ちょうど目の前の壁の隅に横長の細長い穴があいていて、集められた髪はその中にどんどん押しこめられていく。
 あの穴は何と呼ばれているのか、と髪を切ってくれている人に質問すると(私は業界の符丁とか、そういうことにとても興味がある)、特に決まった名前はないという。
「”毛穴”って呼ぶようにしたら?」と提案してみたが、「考えときます」と体よくあしらわれる。

某月某日
髪を切りに行く。
いつも切ってくれる人に「あれから本当に”毛穴”って呼ぶことにしたんですよ!」と、にこにこしながら言われる。嬉しかったかというと意外とそうでもなく、馬鹿みたいな名前だと思うが、今さらそんなことは言えない。

きのこが気になってしまう人は
穴があったらやっぱり気になってしまう質の人なんですよね
ついつい奇妙なものに寄っていってしまう質の人なんです。