キノコ最前線 フランク・ロイド・ライト編

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H3.F.LL.WRIGTH.JHONSON WAX.

近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトと聞けば旧帝国ホテルを思いおこされる方も多いのではないでしょうか?そのきのこで取り上げるのはジョンソンワックス本社ビルです。森のようなオフィスです。ライトは自然を軽んじ、人間を画一化する20世紀のアメリカ文明に生涯徹底して抵抗を続けました。そんな彼の作品は今でも世界中の人々に愛され続けています。彼の「自然に還れ」というメッセージは、このビルが70年の時を刻もうとする今、現在を生きる私達にも森の声を、そしてきのこの声を届け続けてくれています。

キノコ最前線 チュートリアル編

お笑い界最大の祭典「M-1グランプリ」2008年大会も終わってしまいましたね。皆様ご存知でしょうか?2006年のM-1でチュートリアルを完全優勝の陰で活躍していたキノコ達がいたことを。優勝前年のM-1で「エリンギ」を登場させています。エリンギを登場させてからの彼らは違っていました。妄想ワールドと気持ち悪さが倍増し存在感を確実なものにしていきます。そして翌年完全優勝。現在もますます活躍の幅を拡げる彼らですが、自分たちのDVD「チュートリアリズムII」に煮込ハンバーグのマッシュルームときのこカレーを登場させ、しかも連呼しています。キノコのミラクルを肌で熟知しているチュートリアルの今後の活躍から目が離せません。

*詳しくご覧になりたい方は
 

アカイカタケ

霜ふりキノコ」と同じく、Ardduさんが、カンボジアはカルダモン山脈で撮影されたキノコです。アカイカタケ(学名:Aseroë rubra)ですって。赤いイカに見立てたということでしょうか。マイナーな生き物にはひどい名前がつけられていることがままありますが、アカイカタケは、その安直さにおいて秀逸なネーミングですね。学名の Aseroë rubra はどうかいうと”Aseroë”は、古代ギリシャ語の”αση(嫌悪)”と”ροη(ジュース)”から派生した言葉、”rubra”はラテン語で赤の意味だそうで、「胸くそが悪くなる赤いジュース茸」といったところでしょうか。ちなみに英語名は”sea anemone fungus”でイソギンチャク茸。こちらもやはり安易です。

キノコの病い、いろんな症状

キノコの病いについて、読者の方から症状のレポートがありましたのでご報告させていただきます。

  • カーテンの襞、ギャザースカート、プリーツのブラウスなどからキノコの襞を連想してしまい、また違った意味での妖しい視線を送ってしまう。
  • 羊毛でキノコばかりを作っている方からの投稿です。羊毛をニードル(針)でつついて形づくっていくということなんですが、街中でウールのコートの人を見かけたら針でつついてキノコにしてしまいたいという衝動を日々抱えておられるとのことです。
  • 高いところから建造物の中のおきにいりのキノコを発見し建造物の近くまで行ってみる、下から覗いてみる、そして写真を撮ったりスケッチをしたりする。
  • 洋服を買いにいき、ここにキノコのアップリケをしたらとても良さそうだ、この色にキノコは映えるかもしれないなどと自分に似合うかよりもキノコとマッチするかを購入の基準にする。

キノコの病いに関する情報、随時募集中です。hello@sonokinoko.com までお気軽にお知らせくださいませ。

茸の孤独

lonely (in green)

なんと切ない。。。そのきのこが中学生のとき、トイレでひとりお弁当を食べていたことを思い出します。おっとっと、ついうっかり暗黒歴史を暴露してしまいました。イギリスのMalcolmさんのお写真でした。

カペリートの魅力

カペリートって?
カペリートは森に住むキノコ。悪い魔女によってワニにされた女王様を助け、お礼につまむと何にでも変身できる魔法の鼻をもらいます。

カペリートの作者は?母国は?
カペリートはロドルフォ・パストゥール(Rodolfo Pastor:スペイン)によって生み出されました。カペリートはお話のなかでスペイン語その他の言葉をとり混ぜて使っているようです。日本では、「プチプチ・アニメ」としてNHK教育テレビジョンで放送されています。

クレイアニメって?
カペリートはクレイアニメという手法で作られています。登場人物が粘土で作られており一コマ一コマ撮影する手間もさることながら、照明で粘土が型崩れをおこすなどの問題をクリアして作られているこのカペリートは、想像を絶する作業ときのこへの愛が伝わってきます。(森のキノコ達がたくさん登場してくるシーンは圧巻です、ヤマドリタケ、ベニテングダケ、アンズタケ・・・どれも可愛い!そんなキノコいるいるって!)

解説そしてこれから・・・
カペリートが変身する時鼻をつまむとへんちくりんな音が出ます。子供は笑って真似をします。大人だって笑ってしまいます。なんだか憎めないキノコなのです。そしてコック、オペラ歌手、画家・・・なんにだって変身します。カペリートは困っている友達を放っておけません、斬新なアイデアで変身しては大失敗、だけどめげてなんかいません、夜はオヤスミキャップをかぶりベットで眠ります。朝がきます、失敗、失敗の繰り返しそして大成功でもっていつもお話は終わります。カペリートは人も変身する時が必要な時があるのかもしれなこと、失敗することさえも素敵で楽しいことなのかもしれないことを教えてくれます、ちがう!ちがう!カペリートは教えようなんてしないんです。いつだって「楽しんじゃえばいいじゃない」のカペリートです。世界中に愛される素敵なキノコに言葉はいりません。

そのきのこは思います。キノコの魅力を兼ね備えたカペリートはたくさんのカペリート的、いやキノコ的な人が育てとの願い(胞子)が込められた作品なのです。キノコの花が咲くか咲かないかは風に任せるとして、胞子をたくさんたくさん持って大人になって欲しい、だけど子供でいられる時間はあっという間に過ぎてしまいますからそのきのこも大急ぎです。子供にむけてキノコ(胞子)を発信することそのきのこでも今後力をいれる大きなテーマです。

キノコ最前線 ダウンタウン松本人志編

現在テレビなどで活躍されている芸能人の中にも、どう見てもキノコ的としか思えない拡がりをみせている人がおられます。そのきのこでは有名人をきのこになぞらえて「あの人は土壌がしっかりしている、菌糸の伸ばし方がすばらしい」と感じる人、いや琴線(菌線)に触れる人を紹介していきます。そのきのこの独断と偏見に満ちていますこと、そしてそのきのこ最大の賛辞でありますことをご理解頂いた上で読み進めて頂けたらと思います。

キノコ最前線1号はダウンタウンの松本人志さんです。

スキマ男

みどころ:スキマ男(とみよしさん)は、壁と壁の間、洗濯機のホースの中、自販機の中と、ありえないところに出没します、その出没ぶりはキノコそのもの。おまけにスキマ男の足は腐ってきています。菌類の匂いがプンプンします。更には包丁を持っています、包丁=毒キノコとみなします。松本氏は笑いでもってきのこの魅力を(知ってか知らずか?)拡げてくれる方だとそのきのこはびしびし感じております。

ここで、相良直彦の「きのこと動物」という文章をご紹介します。

キクイムシは木に穴をあけるが、木は消化できぬので、いたずらに隙間を作るだけ。ところがその隙間にキノコのカビが生えて、それが木を消化してくれる。

近代は、それぞれの自己が確立して、言葉によって絆を結ぶと考えるが、絆よりは隙間。人と人の間には隙間があるからこそ、そこに言葉のカビが生える・・・

人と人の隙間、言葉と言葉の隙間。今の私たちがもう一度見つめなおすべき世界は、この隙間のキノコが枯れた木を土に還すように、物や言葉であふれた世界を隙間から分解して見つめる、キノコ目線からの世界なのではないでしょうか。このスキマ男のコント、隙間に生えたカビが世界を分解する様を、絶妙な言葉と間で描いた作品といえるのではないでしょうか。

きのこと隙間について詳しくお知りになりたい方は、森毅さんの名著「キノコの不思議—「大地の贈り物」を100%楽しむ法」に上の文章が収録されています。読んで頂ければ尚よろしいかと思います。