「キノコなんだ」

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「きみは、なにもかも、ごちゃごちゃにしてるよ・・・・・・」
王子さまは、こんどは、ほんとうに腹をたてていました。そして、目のさめるような金色の髪を、風にゆすっていいました。
「ぼくの知ってるある星に、赤星っていう先生がいてね、その先生、花のにおいなんか、吸ったこともないし、星をながめたこともない。だあれも愛したことがなくて、していることといったら、寄せ算ばかりだ。そして日がな一日、きみみたいに、いそがしい、いそがしい、と口ぐせにいいながら、いばりくさってるんだ。そりゃ、ひとじゃなくて、キノコなんだ」
「キノ・・・・・」
「キノコなんだ」
王子さまは、もうまっさおになっておこっていました。