「ブドウ酒はいかが。」 と三月ウサギが元気づけるように声をかけました。 アリスはテーブルじゅうを見まわしましたが、あるのはお茶だけでした。 「ブドウ酒なんて見えないわ」 とアリスは言いました。 「ぜんぜんないさ。」 と三月ウサギは言いました。 「だったら、ないものをすすめるなんて、ずいぶん失礼じゃなくって」 と、アリスは腹を立てて言いました。 「呼ばれもしないのに、ここに来て座るなんて、ずいぶんな失礼じゃないかね」 と三月ウサギが言いました。