(あらすじ)

賢くて、いつもみんなに頼りにされているアナグマだが、冬が来る前に「長いトンネルの むこうに行くよ さようなら アナグマより」という手紙を残して死んでしまった。悲しみにくれる森の動物たちは、それぞれがアナグマとの思い出を語り合ううちに、彼が宝物となるような知恵や工夫を残してくれたことに気付いていく。そして、春が来る頃には、アナグマのことは楽しい思い出へと変わっていった。

聖路加国際病院の小児科で2歳の良太君(脳死状態)の死を5歳のお兄ちゃんと8歳のお姉ちゃんに伝えるため、ベットで寝ている良太君のそばで細谷先生がこの絵本を読まれたそうです、その後良太君は旅立たれたそうです。お姉ちゃんとお兄ちゃんから細谷先生にお手紙が届いたそうです。「よく『わすれられないおくりもの』を読みます。読むたびにポロポロと涙が出て来ます」と書いてあったそうです。

これは良太君のお母さんの文章です。

例えばすいこまれそうなほど青く澄み切った大空とその空に浮かぶ真っ白な輝く雲を見つめた時、大空にかかる七色の虹を見つけた時、何色ものきれいな色の羽に覆われた小鳥たちを見た時、アスファルトの隙間の土から生えた小さな花をつけた雑草をいとおしく感じたとき、などなど・・・その自然の向こう側に存在する命の創り主を、理屈でなく、在るものとして素直に感じる心を子どもたちは知っている思うのです。ですから、生と死が断ち切られたものでなく、続いているものとして理解できるのは実は幼い子どもたちがいちばんすぐれているのではないでしょうか。(絵本が目覚めるときより)

そのきのこは”生と死が断ち切られたものでなく”ということばが印象に残りました。きのこは生と死を繋ぐ生き物です。そしてきのこの存在はそんなことをイメージしやすいって思います。

きのこ文化はきのこを好きな人のためだけにあるのではなく、すべての人のためにあるものだと考えています。