もっと向こうへと
2011/05/03悪はあなたのもの
哀しみはあなたのもの
だが善と喜びもあなたのもの
そして濁りないこころも
清い泉も濁った泥水も
みなあなたのこころから湧いてくる
いま見えている世界はただのあぶく
ただの幻
世界をありのままに見るために
目覚めよう 間違った夢からこの世界のもっと向こうへと続く道がある
喜びとともにその道をたどろう
悪はあなたのもの
哀しみはあなたのもの
だが善と喜びもあなたのもの
そして濁りないこころも
清い泉も濁った泥水も
みなあなたのこころから湧いてくる
いま見えている世界はただのあぶく
ただの幻
世界をありのままに見るために
目覚めよう 間違った夢からこの世界のもっと向こうへと続く道がある
喜びとともにその道をたどろう
詩人の社会的役割とは何かという和合亮一さんの問いかけに、谷川俊太郎さんがこう答えている。
「非常に微細なエネルギーが人にある程度影響を与えるということを信ずるということじゃないでしょうか」
「非常に微細」「ある程度」といったこの慎ましい限定は、単なる謙虚の表明ではない。微力なものの力、微小であるがゆえの力といったものがあって、たぶんそれこそが詩の栄光なのだ。
〈・・・詩や詩人がもしも世の中の役に立つとしたら、ベストセラー小説みたいな売れ方をするとかではなくて、知らない間にその人にちょこっとでも何らかの作用を与えるかもしれない言葉を紡いでゆく、その微細な力を信じる、信じさせるということじゃないでしょうか〉
このね微細な力というものをイメージするのにきのこの胞子ってピッタリでしょう?
そのきのこ信じてます、微細なものの力を、そして微細なものこそが一番かっこいいってことを!
今日の朝日新聞にノーベル賞で話題のオワンクラゲの写真ときのことも関わりの深い谷川俊太郎さんの詩が掲載されていましたので紹介させて頂きます。
かすかな光へ
谷川俊太郎
あかんぼは歯のない口でなめる
やわらかい小さな手でさわる
なめることさわることのうちに
すでに学びがひそんでいて
あかんぼは嬉しそうに笑っている
言葉より先に 文字よりも前に
波立つ心にささやかな何故?が芽ばえる
何故どうしての木は枝葉を茂らせ
花を咲かせ四方八方根をはって
決して枯れずに実りを待つ
子どもは意味なく駆け出して
つまづきころび泣きわめく
にじむ血に誰のせいにもできぬ痛みに
すでに学びがかくれていて
子どもはけろりと泣きやんでいる
私たちは知りたがる動物だ
たとえ理由は何ひとつなくても
何の役にも立たなくても知りたがり
どこまでも闇を手探りし問いつづけ
かすかな光へと進む道の疲れを喜びに変える
老人は五感のもたらす喜怒哀楽に学んできた
際限のない言葉の列に学んできた
変幻する万象に学んできた
そしていま自分の無知に学んでいる
世界とおのが心の限りない広さ深さを
・写真は新聞に掲載されているものとは異なります。