ヘンなの
襞がいいわぁ!
きのこだらけ
ヒトヨタケ
ドアノブじゃないのよ
おどる妖精
ぼくは聞いた、まだ朝のこぬ丘で、
ヒバリも目ざめないころ、
あさあけの火が
野ばらの萼にむすんだ夜つゆを まだ照らさないころー
妖精の輪から聞こえる妖精の歌を。
かろやかにおどりまわりながら、
ふるえるつばさを照らす月そっくりに、
やさしく歌をうたうのを。
星あかりは、歌にあわせるように
こだまにあわせるように、またたいて、
また星たちは、きららのひとみを、ふるえる光でおめかしして。
でも、元気あふれる火星は
いくさの朱に染まり
血いろの光を大地に雨とふらせた。
火星はひとり、西空のはるか下、
そしてぼくは、さんざしの茂みのかげで、
亜麻いろの髪をした妖精たちのうえに
朝の火がふりそそぐのをみつめた。
その歌ごえが調子をはずして、こごえになり、
とうとう 霧みたいに色あせてしまうまで。
そうして、大きな、ひろい日の光は
あれ野をどこまでもひろがって、
はるか遠いアードンの銅製の風見どりを
黄金の炎に浮かびあがらせ
アロアの塔や森を
月夜の夢から ぼんやりめざめさせた。